- 教員が「休みたい」と思っても休めない理由と職場の空気
- 実際に私が倒れかけたときの体験談
- 「休めない職場」で少しでも心を守るための具体的な工夫
- “休む=悪”ではないという考え方の転換
目次
はじめに|「休みたい」って、どうしてこんなに言いづらいんだろう
「しんどい。でも、休みたいなんて言えない。」
それが、私が教員1年目からずっと感じていた空気でした。
熱があっても出勤。
咳が止まらなくても授業に出る。
体調を理由に休む先生が少ないからこそ、
「自分だけが抜けたらまわらないんじゃないか」
そんなプレッシャーが常に心にのしかかっていました。
でも、それを続けていたら、
ある日、自分が動けなくなってしまったんです。
今回は、「休みたい」と言えなかった私がどうやって心と体を守るようになったか、
そして、教員という“休めない職場”で少しでも心が壊れないために実践していることをお話しします。
「休みたい」と言えなかった教員時代の私
私はどちらかというと「がんばり屋」と言われるタイプでした。
それが“教員としての誇り”だと思っていたし、
がんばることが当たり前だと信じて疑いませんでした。
でも、体調が悪くても「代わりがいないから」と出勤。
授業に穴をあけたら迷惑がかかる。
朝、声が出なくても「なんとかなる」と自分に言い聞かせて教室に向かう。
誰も「休むな」とは言わないけど、
誰も「休んでもいいよ」とも言ってくれない。
「しんどい」と言ったら負けな気がして。
「みんなも頑張ってるんだから」と、自分を追い込んで。
そんな日々を、ただただやり過ごしていました。
教員が「休めない職場」で心を守るためにしていること
「じゃあ、どうすればよかったんだろう?」
少しずつ、自分なりの“心の守り方”を探しながら、今も実践していることがあります。
● 頼れそうな人に、小さくSOSを出しておく
「最近ちょっと朝がしんどいかも」
そんな一言だけでも、いざというとき助けを求めやすくなります。
● 朝のうちに“今日の限界”を決めておく
「今日は18時までに絶対帰る」と決めておくと、
帰るかどうか迷わなくてすみます。判断が“感情”じゃなく“ルール”になります。
● 休む準備をしておく
「この仕事だけメモにしておこう」
「授業の流れはプリントにまとめておこう」
休まない前提でいると、いざというとき本当に大変です。
「休む前提」で備えておくのが、実は一番仕事への責任感だったりもします。
● 「これは命に関わらない」と自分に言い聞かせる
忘れたくないのは、命より大事な仕事はないということ。
ミスしても、授業が失敗しても、命に関わるわけじゃない。
今日ちゃんと帰る・休むことのほうが、よっぽど大切です。
● 休む=戻るための準備と考える
最初は罪悪感しかなかったけど、今は
「休むことで元気に戻る準備をしている」と考えるようにしています。
“責任感を保つために休む”という選択肢も、ちゃんとあっていい。
本当に倒れた人を見て、ようやく気づいた
「この人は絶対に大丈夫」って思っていた先輩が、突然病休になった。
明るくて、生徒思いで、いつも元気だった人が。
「あの人でさえ、倒れるんだ」と思ったとき、
私の中にじわっと恐怖が広がりました。
私は、その人よりも強くない。
自分だって、明日どうなるかわからない。
それから私は、「自分もちゃんと人間なんだ」って認めることにしました。
弱るし、倒れるし、限界もある。
だからこそ、倒れる前に止まることが、本当のプロだと思うようになりました。
「休みたい」と言えないあなたへ
「休みたい」と思うことは、甘えじゃない。
それは、あなたの体と心が出してくれている立派なサインです。
誰にも言えなかったとしても、
自分がその気持ちに気づいてあげるだけで、意味があります。
あなたが倒れてしまったら、
守るべき生徒も、クラスも、家庭も、何も守れなくなるかもしれない。
だからこそ、自分自身が一番最初に守るべき“誰か”だと思ってあげてください。
あなたは、今日休んでいい。
あなたは、しんどいって言っていい。
そして、あなたのままで、大丈夫です。
あとがき|教員である前に、人間として生きていい
私自身、「休むこと=迷惑をかけること」だと思い込んでいました。
だけど、ずっと無理を続けて倒れてしまったら、もっと大きな穴をあけてしまう。
がんばる人が多い職場だからこそ、
がんばらない勇気、休む勇気を持っている人がいてもいいと思うんです。
「休みたい」と思ったときに、この記事をそっと思い出してもらえたらうれしいです。
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