教員は“やらなくていい仕事”が多すぎる?私が手放してラクになった5つのこと

この記事でわかること

• 教員が「やらなくていい仕事」をどう見極めるか

• 実際に私が手放した仕事とその変化

• 「手放すことは悪じゃない」というマインドの大切さ

• 子どもや周囲と“分かち合う”ための工夫

• 教員の「ゆるく働く」実践ヒント

◆1. 「私、全部やってるやん…」と気づいた

「今日も時間が足りない」

「また帰るのが遅くなった」

「なんでこんなに仕事多いんだろう?」

 

そんなふうに思いながら職員室に戻って、

ふと自分のデスクを見ると、今日中に終わらせたい仕事が山積み。

その一方で、他の先生が談笑しているのが目に入ったとき、

心の中でこんな言葉が浮かびました。

 

「……私、全部やってるやん。」

 

プリントの準備、掃除場所の確認、係活動の名簿づくり、掲示物の貼り替え、、、

当たり前のように自分がやってきたこと。

でも本当に、それって全部「私」がやるべきだった?

「それ、先生がやらなくてもよくない?」

そう思ったあの日から、私は“仕事を仕分ける”という視点を持つようになりました。

 

この記事では、私が実際に「手放した仕事」と、

そこから生まれた“ゆとり”についてお話しします。

 

2. 先生の仕事、実は“誰かでもいいこと”が多い

「自分じゃなきゃダメなんです」

 

かつての私は、よくそう言っていました。

でも、よくよく見直してみると、

“自分じゃなくてもできる仕事”が意外と多い。

  • 学級だよりの印刷や配布
  • 校内掲示のレイアウト調整
  • 定型文での保護者連絡
  • 通常の提出物のチェック

これらの業務、本当に教員でなければできないでしょうか?

 

たとえば、

印刷やレイアウトは事務職員やICT担当に相談できるかもしれないし、

ルーティン化している業務は、子どもたちや他の教員と「分担・共有」することも可能です。

もちろん、全部を任せるわけにはいかないけれど、

“自分が抱え込まなくてもいい仕事”を見つけていくことが、

働き方をゆるめる第一歩になります。

自分の代わりをつくるのではなく、

“チームとしてどう回すか”を考えることが大事。

「自分が倒れたらまわらない」状態をやめることが、

結果的に子どもたちのためにも、そして自分の健康のためにもなるのだと実感しています。

3. 実際に手放した仕事と、起きた変化

● 宿題を減らした

以前は「宿題は毎日出すのが当たり前」と思っていました。

「家庭学習の習慣づけが大事」と教わってきたし、保護者からの期待もあったからです。

でも実際には、内容も形も“とりあえず出す”だけの日も多く、

子どもたちのモチベーションも下がり気味。

さらに、丸つけ・提出確認・未提出対応…全部先生の仕事。

そこで思い切って、週2〜3回の頻度に見直しました。

内容も、プリントではなく「授業の振り返りを書いてくる」「自分で選んだ学習に取り組む」など、

量より“意味のある宿題”を意識。

結果、子どもも家庭も負担が減り、授業と家庭のつながりが深まりました。

私自身も、毎日“宿題の処理”に追われなくなり、心にも時間にも余裕ができたのを感じています。

 

● ノートへの一言コメントを無くした

かつて私は、子どもが出してきたノートに、毎日一人ひとりコメントを書いていました。

「がんばったね」「よく考えてるね」など、ほんの一言でも、書き終えると1時間近くかかることも。

確かに、子どもたちは喜んでくれるし、保護者にも好印象。

でも、疲れきった日の夜にノート20冊を開くたび、

「これ、誰のために書いてるんだろう?」と思うように。

あるとき、“伝えたいときだけ書く”スタイルに変えてみたんです。

すると、コメントに込める想いや内容の濃さが変わり、

子どもたちの反応も「えっ、先生、書いてくれてる!」と新鮮なものに。

そのぶん、授業中や休み時間に直接声をかける機会が増え、関係も深まりました。

 

● さまざまな連絡を「学級だより」に一本化

昔の私は、保護者への連絡をあらゆる手段で伝えていました。

プリント、連絡帳、口頭伝達…でも、それが逆に混乱のもとになっていたんです。

「どこに書いてましたっけ?」と聞かれることも多く、

結局、毎回フォローに回ることに。

そこで、「基本的な連絡はすべて週1の学級だよりに載せます」と決め、

学年通信+補足プリントで完結するスタイルに。

最初は不安もありましたが、慣れてくると保護者から「読み返せて助かります」という声も。

私自身も、「伝え方を迷う時間」が激減し、毎週の発信に集中できるようになりました。

 

● 学校の責任と家庭の責任を明確にした

提出物の期限や宿題の進捗など、以前は「全部先生が管理して当然」と思っていました。

でも、それって本当に“教育”なんでしょうか?

あるとき、「それは本人とご家庭の管理の範囲では…?」と同僚に言われてハッとしました。

そこからは、「これは学校が責任をもつ」「ここは家庭で確認してもらう」という線引きを

学級だよりや個人面談であらかじめ伝えるように。

忘れ物や未提出物の対応に毎回追われていたのが、

「それはご家庭で確認してください」と伝えるだけで、ぐっとラクに。

もちろん最初は心苦しかったけれど、結果的に子どもにも家庭にも主体性が育ちました。

● “慣例”でやっていた仕事をやめた

「去年もこうだったから」

「前の担任がやっていたから」

そんな理由だけで続けていた仕事、思いのほかたくさんありました。

  • 行事ごとの細かい飾り付け
  • 無意味に形式化した係活動
  • 学期末の“気合い入った”壁面制作

正直、「これってなくても大丈夫では?」と思いながら、

「でもやらないと変に思われるかも…」と続けていたんですよね。

そこで思い切って、ゼロベースで「やる・やらない」を判断してみたら…

意外と何も問題は起きませんでした。

むしろ、「先生が疲れてないぶん、授業が落ち着いてますね」と言われることもありました。

このように「手放した仕事」を振り返ってみると、

“効率”だけでなく、“本当に大事なもの”に向き合えるようになった感覚があります。

 

4. “先生がやらなくてもいいこと”を仕分けるコツ

「これは本当に先生の仕事?」

そう自問するだけで、見える景色が少しずつ変わります。

とはいえ、いきなりすべての業務を見直すのはハードルが高いもの。

だから私は、“仕分け”の視点を持つことから始めました。

● コツ①:その仕事、「先生じゃなきゃダメ?」と問い直す

• 自分じゃなくてもできる仕事

• そもそも必要ない仕事

• 誰にも頼めないと思い込んでいた仕事

それぞれを「先生でなくてもできる」「実はやらなくていい」の2軸で仕分けしていくと、

少しずつ手放せるものが見えてきます。

 

✔ 例:行事の装飾 → 子どもや係活動に任せられる

✔ 例:プリントの整理 → 当番制にする

✔ 例:装飾のラミネート作業 → そもそも必要?

● コツ②:「任せることは、手抜きじゃない」と認識を変える

「人に任せるのは申し訳ない」

「自分がやったほうが早いし確実」

そう思っていた私ですが、実際に任せてみると…

• 子どもが想像以上に力を発揮してくれる

• 同僚と協力できるチャンスが生まれる

• 任せることで、信頼関係が深まる

 

「任せる」って、効率だけじゃなく“育てる”ことにもつながっていたんです。

特に子どもに任せる場面では、

完璧じゃなくても「やってみよう」と任せることで、

主体性・責任感・協調性といった“力”が育ちます。

● コツ③:「やって当たり前」を1つずつ疑ってみる

「この仕事、去年もやってたし…」

「周りがやってるから、自分も…」

そんな“無意識のルール”が、

あなたの時間と心をじわじわ削っているかもしれません。

私はまず、「それって本当に今の子どもたちに必要?」と考えるようにしました。

• 昔からある掲示物 → 情報更新されてる?

• 学期末の壁飾り → 子どもたちの希望と合ってる?

• 担任がやること → 学年で分担できない?

“当たり前”を疑うのは勇気がいります。

でも、疑った先にこそ、「やらない自由」「手放せる余白」が見えてくるんです。

 

5. まとめ|自分の心と時間を守る「仕分け力」を身につけよう

「働き方改革」と聞くと、どこか他人事のように感じたり、

「どうせ無理だよ」と諦めそうになったりしますよね。

でも実際に私が実感したのは、

“全部を変える必要なんてない”ということ。

宿題を減らしただけで、

ノートコメントをやめただけで、

「これって必要?」と問い直しただけで、

少しずつ心と時間に余白ができました。

働き方改革の第一歩は、“仕分けること”から。

• 「本当に必要な仕事か?」

• 「自分がやらなきゃいけないことか?」

• 「子どもや周囲に任せられないか?」

この3つの視点を持つだけで、

“やらなきゃ”の呪いから、少しずつ解放されていきます。

「仕事は減らせない」と思っていた私が、

“ゆるく働く”という選択肢を持てたように、

あなたにもきっと、できることがあります。

あとがき

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

“ゆるく働く”って、決して「手を抜く」ことじゃないんです。

「自分のペースを大事にして働く」こと。

私はそれに気づいてから、教員生活がぐっと楽になりました。

自分の心と時間を大切にできる先生が増えるように――

そんな想いで、これからも発信していきます。

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